鑑賞者の声

閉ざされた情報空間の恐ろしさ

東京都写真美術館で映画『ZERO:9/11の虚構』を観てきた。
911事件に関しては、背後関係を含め詳細を拙著『国際銀行家たちの地球支配/管理のしくみ』(徳間書店)に書いたし、すでに二年前に英語版を観ていたので、内容的には既知のものでしかなかった。

それでもわざわざ東京まで出かけて行ったのは、観客の反応を見たかったのだ。

何も知らなかった人にとっては、かなりショッキングな内容なのだろう。
上映終了後の重苦しい空気、沈痛な面持ちがそれを物語っていた。
政府の発表が嘘だらけだなんて。

しかも、テロリストたちを育てていたのが当の米国政府であり、恐怖を世界中に輸出しているなんて。
おそらく映画を観た後でも信じられない、いや、信じたくないであろう。

しかし、歴史を紐解けば、戦争をしたいがために“嘘”をつくことは米国の“お家芸”とも言える。
米西戦争、第一次世界大戦、太平洋戦争、ベトナム戦争、第一次湾岸戦争、いずれものちに米国政府の嘘で戦争が始まった事実が明らかになっている。

ただ、ほとんどの日本人は、そんな事実さえ知らされていない。
私たちは閉ざされた情報空間の中に生きているのだ。

米国による日本の情報統制は戦後すぐGHQ(連合国軍総司令部)によって始められた。
報道検閲によって言論統制し、学校教育で 書き換えた歴史を押し付け、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」によって日本人に戦争の罪悪感を植えつけ、民族の誇りと自尊心を奪 った。
そして、自由と正義の国アメリカという幻想を植え付けたのだ。

だが事実は、一握りのエスタブリッシュメントが金と暴力によって支配し、恐怖と不安を煽って民衆をコントロールしている。
現実の世界とは、恐ろしく野蛮でグロテスクなのだ。

もし本当に平和な世の中をつくりたいなら、この醜い現実から目を背けてはいけない。
軍産複合体とは、人の生き血を啜らなければ生 き続けられぬモンスターなのである。

『ZERO:9/11の虚構』は、私たちを閉ざされた情報空間から引きずり出してくれる力を持っていると思う。
日本語版の制作、公開に尽力されたスタッフに心から敬意を表したい。

ディレクターのきくちゆみさんが言うように、観客のひとりひとりがメディアとなって、いつの日か無意味な戦争に終止符を打ちたいものである。

安部 芳裕

安部 芳裕さんプロフィール

環境問題の根幹にあるのは経済システムだとの認識からオルタナティブ(代替的)なお金である「地域通貨」に希望を見出す。1999年に地域通貨グループ『レインボーリング』を立ち上げる。講演や体験型ワークショップを全国の自治体・商店街・商工会・大学・NPO・NGOなどで数多く行い、その実践もサポート。
「地域通貨」に関する著書には「誰でもわかる地域通貨入門」「なるほど地域通貨ナビ」(北斗出版)「ボクらの街のボクらのお金」(さんが出版)などがある。
2007年4月からネット上で「反ロスチャイルド同盟」を立ち上げる。豊富な資料をそろえ、マスメディアが伝えない情報を発信している。著書に「金融のしくみは全部ロスチャイルドがつくった」「日本人が知らない恐るべき真実」「全部わかった!国際銀行家たちの地球支配/管理のしくみ 」などがある。

反ロスチャイルド同盟  http://www.anti-rothschild.net/

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